2021年5月13日木曜日

コロナ時代

 甥が丁度学生で運動部らしいので、大会やら何やらのアレコレで可哀想だな、なんて。

いつ光が見えてくるのかなあ。

2016年3月23日水曜日

花鳥風月15/06/20・昼

ある意味で転機となった大会だったと思う。
伏線は、それ以前の大会に既に張られていた。
花鳥風月の代表であるスパイシーK氏が、試合途中に帰ろうとした政宗選手を自ら制止し、説得した姿がそれだ。
私が花鳥風月を観戦し始めて、その時はまだ数回といったところだったが、少なくともそれまで、代表は努めて裏方に徹しているように見えた。
しかし諸事情により、今大会で前説のためリングに上がり、マイクでコールもするようになった。
人手が足りない小さな団体なため、やむを得なかったのでしょうけど、これを書いている2016年現在の花鳥風月スタイルは、今大会からスタートしたと言っても、過言ではないのかも、とかとか。
一方で、この大会は同日に北区で他の団体も興行を打っていたため、お客さんの入りが非常に厳しいものとなった。
「これは……」と選手のテンションが心配になったけれど、逆に発奮した選手もいて、試合は白熱したものが多かった。
昼夜の二部構成で、昼は花鳥風月名物の月闘ルールで行われた。以下に雑感を記す。

・エキシビションマッチ
勝村周一朗vs関友紀子

5分間のエキシビションマッチ。初の女子所属選手となった関選手に、勝村選手が胸を貸した内容。
結果は時間一杯のドローでしたが、関選手の持ち味らしい、するするとバックチョークに入る、身軽なスタイルを印象づけられました。

・第一試合
瓦井寿也vsムエタイマシン1号



ハードヒットのリングなどでも経験を積み、月闘ルールでも怯まず勝ちをめざせるようになってきている瓦井選手でしたが、謎のムエタイ軍団の鋭い蹴りに敗退。しかし寝技に持ち込むなど、決してノーチャンスではありませんでした。それにしても現在、彼らのM16ロゴ入りのトランクスを見ると、なるほどと頷いてしまいますね。これも伏線だったか。

・第二試合
松本崇寿vsムエタイマシン2号

月闘のリングでは誰もが認める強者っぷりを発揮する松本選手と、2号という名ではあるものの、1号よりもキック選手として完成されている試合運びを見せた2号。
松本選手はダウンも奪われてしまいましたが、寝技に持ち込み勝利。やはりこのスタイルでは松本選手の安定感は際立ってますね。この後、松本選手は通常のプロレススタイルにも積極的に取り組んでいくのですが、どうしても受けて立ってしまいがちで、いまひとつ勝ち星に恵まれず、歯痒い気持ちになってしまいます。

・第三試合
三尾祥久vs篠宮敏久

ほぼ打撃を使わないという、こだわりのグラップラー篠宮選手と、月闘ルールでは初となる三尾選手の対決。
抜群の跳躍力を主体としたいつものファイトではない、三尾選手の別な一面が新鮮でした。しかもドロー。
篠宮選手を相手にこの結果は驚きでした。

・第四試合
服部健太vsHAMATANI

月闘ではレスリングスキルを存分に発揮して強さを見せる服部選手と対するは、同じく立ってよし寝てよし、更にはカポエラの魅せ技も持つHAMATANI選手。
互いに持ち味を出し合うも、服部選手の勝利。

・セミファイナル
山本裕次郎vs中川達彦


この日の月闘で一番熱い試合だったと記憶しています。過剰なまでに気合を入れて闘う山本選手と、しばしば急所突きを使うほど、入れ込んで闘う中川選手。バチバチにやりあった一戦を制したのは、山本選手のクロックヘッドシザースでした。
・メインイベント
勝村周一朗&ジョシュ・オブライエンvs進祐哉&焙煎たがい。

 
 
 
 
 
 
 
 
 
この試合も、前回大会の流れがあってのものでした。
一見、前回――浅草橋大会で、篠宮選手の急所を蹴って勝利を収めた焙煎選手に対し、怒りを露わにして攻めまくる勝村選手という構図。
しかしその実、焙煎選手の地力を引き出し、不穏なイメージを払拭するようにしていましたね。私の勝手なイメージですが、勝村選手は技術の高さは勿論のこと、様々な現場で培ってきた、人と向き合うコミュニケーション能力の高さが優れているんだろうなーと。
進選手との手合せも、楽しんでいるように見えました。結果はドローも、ジョシュ選手と進選手の対決など、レアな内容。

 
〆のマイクでも、勝村選手は対戦した焙煎選手と進選手を讃え、普段はホームであるFREEDOMSのリングでも寡黙な進選手が「このルールに対応して、勝村さんの首を狙う」とコメントしていたのが印象的でした。

2015年7月15日水曜日

花鳥風月05/30(後)

▼第8試合シングルマッチ30分1本勝負
○矢郷良明(VKF)(14分7秒 ツームストン・パイルドライバー→体固め)ジョシュ・オブライエン(東京花鳥風月)●
これを書いている現在、矢郷選手がGMを務めているプロレス団体VKFは、新木場などで定期的に興行を打っており、花鳥風月所属選手も招かれてファイトする関係にあります。
矢郷選手は空手も修得されており、ジョシュ選手のパワーファイトに蹴り技で対抗する構図となりますが、徐々に体格差で圧倒していき、得意とするパイルドライバーで決着となりました。
 
▼セミファイナル タッグマッチ30分1本勝負
○山本裕次郎(鎌倉花鳥風月)&梅沢菊次郎(プロレスリング・アライブ)(15分15秒 レフェリーストップ)宮本裕向(666)&●塚本拓海
メインに負けない豪華なカード!
四人それぞれが、譲れないプライドを持つプロレスラーであり、引いて間を外すテクニックを使う塚本選手にしても、大日本のリングで激闘を経てきた自負心を身に着けています。





 
 
パワーファイトとレスリングテクニックを身上とする宮本選手と梅沢選手がぶつかり合えば、バチバチとサブミッションのバトラーツファイターである山本選手が蹴りを放ち、これを受けた塚本選手が強烈な投げ技で切り返していく!

 フィニッシュは山本選手の鮮やかな複合関節技でした。いつか山本選手と宮本選手のシングルを見てみたいなーと。


▼メインイベント シングルマッチ30分1本勝負
●勝村周一朗(鎌倉花鳥風月)(6分59秒 ダブルアームスープレックス→エビ固め)○鈴木秀樹

メインの大一番。鈴木秀樹選手はWRESTLE-1のベルトを引っ提げ、人間風車ビル・ロビンソンのテーマに乗って登場。

入場曲って大事、と思わされますね。かっこいい曲です。しかも弟子であるプロレスラーが師匠のテーマを引き継いで、現在もなお使っているというのは、正論暴君キャラという装飾の中に秘めた、鈴木秀樹というプロレスラーの本質の一端ではないかな、なんて。
勝村選手も自身のテーマ曲で入場。ついに両雄激突!
契約体重、階級差など、厳密な制限のあるMMA等では実現しないだろう、プロレスのリングならではの軽量級と重量級の対決。
勝村選手は、しかしそれを言いわけにしてたまるかとばかり、自身の武器である、蹴りやグラウンドテクニックで鈴木秀樹という要塞に挑んでいきました。


一方の鈴木選手は、これまでどおり、クラシカルな王道のプロレスで迎え撃ちます。いわゆる見慣れた技の数々――捕まえ、体重をかけて潰し、隙あらば投げる。シンプルだけど、そこに強みがあり、隠れた技術の機微がある。鈴木選手は決して器用なレスラーではありませんが、勝村選手がプロレスラーに求める「強さ」に関してだけは、今更言うまでもないくらいのレベルに達しています。観客の誰もが、好き嫌いはともかくとして「あ、この人は強い」と理解してしまう迫力があるのです。
そういう、望んだ相手だからこそ、勝村選手も対策を練って勝ちに行きました。寝かせてからの関節技にトライし、更には投げ技をくらいそうになる直前、これまで幾多の強豪を仕留めてきた勝村選手必殺のニンジャチョークを繰り出し、決着か!? と会場を熱くさせました。
 
残念ながら不発に終わり、逆襲のバックブリーカー、そして鈴木選手の代名詞であるダブルアームスープレックスをくらってしまい、惜しくもスリーカウント。
短いながらも濃いファイトで、これに満足したのか鈴木選手も恒例の、対戦相手の欠点を責めていくいつもの口撃はしませんでした。
もっとも直後のロビン選手との絡みに関しては、素で驚いていたように見えましたが。
――ダブルアームスープレックス。
私はプロレスの技には格があり、使い手によって輝きの色合いを異にしていると思っています。あるレスラーにしてみれば単なるつなぎの技でしかないそれが、別なレスラーにとっては絶対のフィニッシュホールドとして、観客を酔わせ、対戦相手をマットに沈める。まさしく鈴木選手が「育てた」ダブルアームスープレックスは美しく、必殺の域に磨き上げられた芸術品でした。
……ちょっと、ロビンさんが心配です。

三周年記念興行。花鳥風月エースがまさかの敗戦という幕切れでしたが、いつもとは異なるきれいな会場、激しいファイトに満足のいく内容でした。
シアタープロレス花鳥風月の、更なる飛躍に期待しています。