▼第4試合 東京花鳥風月練習生・川島真織デビュー査定マッチ5分1本勝負
△清水基嗣(SECRET BASE)(時間切れ引き分け)東京花鳥風月練習生・川島真織△
女子プロレスではよく見かける、十代でのプロレスラーデビューですが、男子のほうとなると、私の乏しい知識では記憶になく、ぱっと出てくるのは中嶋勝彦選手くらい。私が花鳥風月を見るようになった頃には、既に練習生だった彼は、かなり長い期間、エキシビションマッチという蓋に押さえつけられてきたことになります。見るたびにからだも仕上がってきて、本当ならすぐにでも査定マッチが組まれてもおかしくないよなあと感じていましたが、そこはやはり、度々起こってしまう事故を懸念したのでしょうか。
例えば柔道。初段を取得した人間であっても、投げられて脊髄、頸椎をやってしまい、日常生活を送るうえで深刻な支障を抱えることになった人がどれだけいるか――。
日本のプロレスは、一時期よりは危険な技を軽々に使用しない傾向にはあるものの、半端な受け身しか取れないようではすぐに壊れてしまうし、最悪の場合、命を失うことだって、ないとは言い切れないのです。そしてそうなってしまったら、周囲にもたらす有形無形のマイナス効果は計り知れません。
「最年少の若手」という肩書きは、リングに活気を生みます。
そんな喉から手が出る起爆剤の投入を我慢し続け、花鳥風月は彼がプロレスラーとして必要な諸々を学び、鍛え上げるのを待っていたのかもしれません。直前のマッチョ選手とのエキシビションマッチは、まさに潮が満ちたことを感じさせるものがありました。
査定試合の対戦相手は、清水基嗣選手。
花鳥風月とは何かと関わりの深い、プロレス秘密基地『SECRET BASE』の代表。
組み合わせを見た時、厳しいなあと思いました。
懐の深いベテランではありますが、まだまだ尖った、勢いのあるファイトが持ち味の選手です。
しかも会場は、いつもの王子を離れたヒューリックホール。加えて査定試合の審判の一人は、もう絶対辛口間違いなしじゃん的な、鈴木秀樹選手と来たもんです。
(また、結果発表時に明かされたことですが、親御さんも会場で見守っていたとか)
案の定、いつもより動きが固く、もし私が今回だけの一見さんであったなら、合格票を投じていたかどうか。
ですが川島真織の、これまでのプロレスに向き合う姿勢を見てきた私としては、やっぱり早く一歩を踏み出してほしかったわけで。
本当、いいプロレスラーになってもらいたいな、と。
▼第5試合 ウルトラマンロビンデビュー25周年記念30分1ヒーローショー
○ウルトラマンロビン(SGP名古屋花鳥風月)&宇宙銀河戦士アンドロス(13分48秒ダイビングボディアタック→片エビ固め)清水基嗣(SECRET BASE)&●神楽(666)
赤と青の共演!
飄々とした佇まいの、しかし似て非なる二人のウルトラ系レスラー。
例によって宇宙選手がマイクで前説を始め、その隙をついて清水選手と神楽選手が勝手に試合をスタートさせてしまう流れ。
清水選手は間髪入れずダブルヘッダーとなりましたが、さすがのファイトを見せてくれました。
▼第6試合 シングルマッチ30分1本勝負
○新井健一郎(DRAGON GATE)(7分8秒 ジャンピングパイルドライバー→体固め)江利川祐(東京花鳥風月)●
役者の違いに唸らされる内容となりました。まさにアラケン劇場。
試合前のマイクアピール、江利川選手を煽る一方で、この試合がどういうものなのかを、初見さんには分かりやすく、そして常連には改めて説明しているのです。んで、それがまた、いちいち納得せざるを得ないという! 新井選手のプロ意識は本当に素晴らしいと思います。プロレスラーとしてのレベルの違いは明確なれど、だからといって自分本位なファイトに終始することなく江利川選手と向き合い、試合をつくっていくのです。
そして「ここまで」と見切りをつけるや否や、ギアを上げて一気に引き離し、ゴールする。
デビュー戦に比べれば、江利川選手は強くなりました。しかしまだ、新井選手と競り合うまでには至っていません。気持ちは負けてないにしても、技の一つ一つの練度が浅く、何より試合を展開させる主導権を取れずにいることが、見ていてもどかしく感じてしまいます。
課題は見えているわけで、あとはもう、江利川選手の努力次第。がんばってほしいです。
▼第7試合 タッグマッチ3分1本勝負
「ハットトリック」服部健太(東京花鳥風月)&○三尾祥久(東京花鳥風月)withスペシャルゲスト山本淳一(元光GENJI)(12分16秒 ダイビングボディプレス)ウルフ・スター☆&●スペースレッド(666)
歌謡ショー始まった!
当時の光GENJIの凄さを知るだけに、「どういうつながりからの出演なんだろう」という疑問だけが先行していたのですが、歌とプロレスの線引きをしてくれていて、安心できました。
一方で今回、初めて見ることになったウルフ・スター選手なのですが、正直よくわからない選手だーという印象で、これは現在も変わっていません。どういう選手で、どんな背景を持っているのか……。わざわざ自己紹介みたいなことをする必要はないのですが、入場時に配布されるチラシなどにでも経歴が書かれているといいなーとかとか。
試合はハットトリックが持ち味を発揮して快勝。いやはや、こちらの赤と青は実に鮮やかな連携を決めてくれました!
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