東京都北区を拠点に活動するプロレス団体「花鳥風月」の王子神谷バビロン大会を観戦した。
昼はお馴染みとなった格闘技寄りのルールで開催される「月闘」。王子神谷駅で降り、歩きの途中、お蕎麦屋さんに立ち寄り、そばの他に肉じゃがやカツ煮やらを食し、いざ会場へ。
気のせいか、前回よりもリングが低くなっていて、見やすくなっていたように感じました。
■第一試合
焙煎たがい。vs瓦井寿也
西口プロレスで活動しているプロレスラー、焙煎たがい。選手は前回も月闘ルールでファイトしており、ひょうきんな見かけながら、きちんとした技術を身につけた実力者です。対するは東京花鳥風月所属の瓦井寿也選手。これ、というバックボーンは持たずとも、貪欲にハードヒットのリングなどに上がり、経験を積んでいる現在進行形のプロレスラー。
試合は焙煎選手から余裕を奪うまでには至らず、アキレス腱固めのレクチャーを受けるパフォーマンスをやられてしまったり。でもまだ、これからでしょう。
■第二試合
ムエタイ・マシンvs中川達彦
地元の空手の先生であり、どっしりとした重量感のあるベテラン中川選手に対し、謎のマスクマン、ムエタイ・マシン選手はひょろひょろとした外見で、果たしてどうなるものか……と思っていたのですが、試合が始まるとそれは全くの杞憂でした。まさしく名前のとおり、ムエタイのテクニックで中川選手を翻弄しまくるマシン選手。体重のハンデなど帳消しにする猛攻を見せます。
しかし負けてられない中川選手、首相撲をパワーで強引に潰しにかかり、わずかにできた隙間を見逃さず、空手の裏技・のど突きを炸裂させました。レフェリーの死角ということもあり、これでKOになったことに納得いかないマシン選手、勝ち名乗りを受けている中川選手にキックの連打を浴びせるという暴挙! ……穏やかじゃない結末でした。
■第三試合
山本裕次郎&進祐哉vs松本崇寿&HAMATANI
開会時に自分の言葉で花鳥風月に移った気持ちを話してくれた山本選手。
これを聞けただけでも良かった。個人的なモヤモヤが晴れました。そう。勝村選手だけでなく、月闘のリングには実力者の篠宮選手、そしてその篠宮選手から勝利した松本選手がいる。ストレートな気持ちがぶつかり合うなか、異彩を放ったのは松本選手が前回も見せた独特なグラウンドテクニックの動きでした。MMAなどを見慣れたお客さんなら、もしかすると驚くに当たらない技術なのかもしれませんが、それでも思いがけない方向から足が伸びてきて、瞬時に不利な状態を脱するあの一連の動きたるや、実に見映えがするなあと。
最後は進選手がHAMATANI選手に腕十字をキメて決着となるも、進選手は素直に「もっと実力を上げて、また月闘でファイトしたい」旨のマイク。好印象でした。
■第四試合
服部健太vs篠宮敏久
月闘の常連にして、ステを寝技に全振りしたようなファイトスタイルの篠宮選手と対するは、人生の大一番を直前に控えた服部選手。過去のファイトを目にした人なら、篠宮選手の実力は疑う
余地もなく高いレベルにあると認識していたでしょう。同時に服部選手は大丈夫かなとも。
しかしその寝技マスターを相手に、服部選手、培ったレスリングテクニックで対抗し、一歩も退きま
せんでした。結果はドロー。篠宮選手の牙城を崩すまでには至りませんでしたが、意地を見せてくれました。
■第五試合
勝村周一朗vs岡田剛史
鎌倉花鳥風月代表の勝村選手が迎え撃つは、アゴヒゲをたくわえた荒武者のごとき容貌の岡田選手。広島からやってきた実力者との謳い文句にたがわぬ暴れっぷりを見せてくれました。
強い打撃とグラウンドテクニックは、勝村選手をかなり追い詰め、あわやという場面も幾つか。最近の勝村選手はニンジャチョークといったフィニッシュへの布石としてなのか、結構相手に深く攻め込ませる傾向があるなーと思っているのですが、見ているほうには当然どこまでが罠なのか分からず、ハラハラしてしまいますね。この試合で負ったダメージは夜の試合でも、また打ち上げの席らしき場でも気にされていたようなので、あのスタイルを続ける危うさはちょっと気になったりしました。
「ぼくばっかり強いのと当たる」とボヤいていましたが、それは松本選手、山本選手への発破かもしれませんね。今回、勝村選手の体を張った勧誘が成功し、岡田選手も(おそらく鎌倉)花鳥風月のリングに上がることになりました。鎌倉ばかりにやたら強い人が集まったことになりますが、次回はどんなカードが組まれるのか、楽しみにしたいと思います。
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